新たな名香、シャネル「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」の全て
いつか『CHANEL(シャネル)』の香りが似合う女性になりたい…と、学生の頃から憧れ続けた私。今年の冬に念願かなって「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」を迎え入れることができました。“新たな名香”と呼び声高い、この素敵な香りをレビューしたいと思います。
2021年02月08日更新
記事の目次
[1]「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」の意味
まず「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」は、『CHANEL(シャネル)』フレグランスでも最高品質を誇る「LES EXCLUSIFS DE CHANEL(レ・ゼクスクルジフ・ドゥ・シャネル)」というフレグランスラインの一つです。
ほかの香水とは一線を画し、歴代の専属調香師たちが稀少な香料を用いて調香した“最高峰のクリエイション”と言われています。
なのでお値段もちょっと高め。
ですが、『CHANEL(シャネル)』フレグランスの真髄に触れることができる非常に奥深い香りばかりなので、香り好きの方にはきっと満足のいく1本が見つかるかと思います。
今回私が迎え入れた「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」は、実在するパリの『CHANEL(シャネル)』ブティックの住所。
トップメゾンのデザイナー兼起業家として後世に名を残したココ・シャネルは、このカンボン通りに特別が思い入れがありました。
『CHANEL(シャネル)』の第一号店はカンボン通り31番地から始まり、ブティックの上階にはココ・シャネル自身が住んでいたそう。
シャネルの全てがこの場所から始まっていて、現在でもシャネル本店が存在するんですよ。
ということで、この「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」は名実ともに『CHANEL(シャネル)』を象徴する場所と言えるのです。
もしココ・シャネルが存命だったら「これぞ私が求めていた香り、と歓喜したに違いない」と言われている「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」。
この素晴らしい香りを徹底レビューしたいと思います。
[2]正統派マダム・シプレノート
トップノート:ベルガモット、グリーンノート、ブラックペッパー
ミドルノート:アイリス、ローズ、イランイラン
ラストノート:パチョリ、ラブダナム、ウッディノート
調香師:ジャック・ポルジュ
発表年:2016年
対象性別:女性
「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」は、『CHANEL(シャネル)』らしく格調高いシプレノート※です。
※シプレノート:シプレはフランス語で「糸杉」のこと。基本的にはオークモス(苔)にシトラスノートがブレンドされた、格式のある神秘的な香りが特徴です。
まず、トップノートからものすごい迫力があります。ラグジュアリーブランドにしか出せない重厚感、厚みがあります。
香料だけで見ると、ベルガモット・グリーンノート・ブラックペッパーと清涼感のあるトップノートのように見えますが、爽やかさのひとかけらもありません。
人懐っこさもゼロ。人と距離感をとっているような、近寄りがたい雰囲気のトップノートには背筋が伸びる思いです。
ライトで人当たりの良いユニセックス・フレグランスに鼻が慣れてしまっていたので、かなりの衝撃を受けました。
ただそれがいかにも『CHANEL(シャネル)』らしいと言いますか、オープニングからこのオーラは“さすが”のひと言。
上流階級のマダムが、出かける間際にドレッサーの前でとっておきのアクセサリーを身に着けている…そんな光景が目に浮かんでくるトップノートです。
[3]かっこいい!ストイックなミドル~ラストノート
出典 chanel.com/ja_JP/fragrance-beauty/
トップノートのグリーン味が落ち着いてからが「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」の本領発揮と言ったところでしょうか。
上質なアイリスとローズ、ジャスミンのハーモニーが最高に心地良く、香りの立ち方も上品です。
ミドルノート以降でも“近寄りがたさ”は健在で、誰にも調子を合わせることのない“ストイックさ”を感じます。
これほどフェミニンな香料を使っているのに、ちょっとマスキュリンでかっこいい所も。
媚びたセクシーさは皆無で、どこまでも個人主義的で、禁欲的です。
そして甘さ控えめのフローラルノートが思慮深く、奥深い。
酸いも甘いも噛み分けた大人の女性のイメージがあります。
浮ついた心をビシッと引き締めてくれる香りでありつつも、まとっていると情の深さを思わせる。
そして柔らかなぬくもりを感じられるところがこの「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」の最大の魅力です。
ラストノートは大人の女性にしか出せないような“丸み”のある香りで、そしてちょっとした母性も感じられます。
贅沢さと高級感、インテリジェンス、思慮深さ、そして何より『CHANEL(シャネル)』らしさが詰まった“本物”の香り。
ココ・シャネル本人をイメージした香りですから、もし彼女が存命だったのなら絶対に手放さない、お気に入りの1本となっていたことでしょう。
[4]大人の女性にしか似合わない香り
出典 出典元URLhttps://www.instagram.com/p/CGSIsDFpPkQ/
「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」は、都会を舞台とする大人の女性にハマる香りです。
メルヘン要素もなければ、可愛い香りでもなく、リラックス効果のある香りでもありません。間違ってもノーメイクやカジュアルウェアには似合わないでしょう。
ステイホームというよりは、外に出かけたくなる香りです。
「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」にはパールのアクセサリーが良く似合いますし、ウールのロングコートを着た時にぴったりくると思います。
甘い香りは絶対に着けたくないけれど、シトラス系では物足りないし、周りに気を使ってライト過ぎる香りも飽きた…というような気分の日に付けると、「これだ!」と体中に電気が走るような、“ザ・香水”と言えるフレグランスです。
私はパリ中心地へ出掛ける前に着けていますが、ボーっとしていると何だか「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」に怒られてしまいそう。
周りのフランス人たちも「40歳以上の女性に似合う良い香り」と意見していて、香水にうるさい彼らも唸らせる、気高い1本なんです。
万人には勧められませんが、クラシカルなシプレノートがお好きな方や、複雑でかっこいい香水をまとってみたい方にはぜひとも試してみてほしい、本当に素晴らしい香水です!!
[5]新たな名香の誕生の予感
出典 chanel.com/ja_JP/fragrance-beauty/
『CHANEL(シャネル)』フレグランスを大好きな私が、何十年も迷ってやっと迎え入れた「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」。
この香りを身にまとっていると、自分の至らない部分を正したくなります。
『CHANEL(シャネル)』フレグランスにはこのように、女性の内面の魅力を底上げしてくれる力があると思っています。
その筆頭が「31 RUE CAMBON(31・リュ・カンボン)」であると、私は胸を張って言いたいです。
香りにはこんなにもエネルギーがあるのだな、と改めて感心してしまうほど心に訴えてくるこのフレグランス、必見です。